ご挨拶
令和6年に本学は創立85周年を迎えました。「一生を描ききる女性力を」を学院のビジョンとして掲げ、女性一人ひとりのライフデザインを支える女子総合大学としてのあり方を追求してきました。大学12学部20学科、大学院8研究科、3つの総合研究所が有機的につながり、新しい教育と研究のフロンティアを探究しています。
当教育総合研究所は、2024年度新たに発足しました。前身の教育研究所は1984年に設置され、40年以上の歴史を誇ります。大学教育や女子教育、臨床教育学など、大学教育のあり方を中心に研究を続けています。1994年には、教育研究所を基盤とする、主として社会人を対象とする共学の夜間大学院である「臨床教育学研究科」が創設されました。
研究所の研究活動によって得られた知見は、大学院に集う教員や看護師、保育士など対人援助にかかわる人々に還元されています。また、一般市民にも、公開講座やシンポジウムを通してお伝えしています。
教育総合研究所とそれを基盤として設置されている臨床教育学研究科は、理論と実践という表裏一体の関係にあります。そのため、研究所は研究科に直接関係のあるテーマ、たとえば臨床教育学の学問的性格や女子高等教育の実態に関する研究に取り組み、研究科とタイアップして各種の事業を展開してきました。それだけでなく研究所は、新たに独自のテーマ、女性専門職者のキャリア形成や在日外国人に対する教育支援などについての研究に着手し始めています。その成果は、「研究レポート」などを通じて発表されることになっています。
研究所棟には、情報処理演習室、臨床教育ライブラリー・ラウンジ、実験室などが備えられており、多くのすぐれたスタッフが教育と研究に従事しています。それらを活用して得られた学問的知見を、さらに広く地域社会やわが国の教育全体にも発信し、これからの教育の基盤づくりに貢献したいと願っています。